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 ←15話『銀河祭・ヤダン編』 →16話『祭りの後』
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ショート・ショート

その90『三○○』

 ←15話『銀河祭・ヤダン編』 →16話『祭りの後』
「そーれ、エクゼンテレター!‥っと」
ぼくが向かい合うモンスターの、その後ろから。
リスの陽気なかけ声が聞こえた、と思ったら‥軽やかに、舞うようにリスが短剣を振るう。
いつ見ても、鮮やかな短剣裁き‥なんて、ぼくが感心している間に‥モンスターはパタリ、と倒れた。
これで‥今日の所は終わり、かな。
‥ふぅ、ようやく一息付けそうだ。
「にゃっはは~、おつかれさま!」
一つ大きく呼吸をして、剣を納めるぼくに‥そう言ってきたのは、さっきのリスだ。
あ、リスって言っても、それは呼び名で‥本名はヘイリス・フイリス。
ぼくと同じタルタル族の男の子、14歳で、青い髪をツンツンさせているのがトレードマーク、だね。
とっても陽気で‥それでいて腕の立つ、シーフなんだ。
ぼくはそんなリスの言葉に応えるように‥にっこりと微笑んで頷く。
「ほらほら、安全な所に行くまで、気を抜くなよ」
戦闘を終えたことで、気の緩んだぼくたちに‥そう注意をしてきたのが、赤魔道士のジェルド‥ジェルド・バルドだ。
彼もぼくと同じタルタル族の男の子で、14歳。茶色の髪をぼさぼさにしてるのが特徴だね。
彼も、腕の立つ赤魔道士なんだよ‥‥ふふ、ちょっと軽い所はあるけど、ね。
「うん、そうだね‥とりあえず移動しようよ」
で、ぼくが‥ネイン・レイン。彼らと同じ、タルタル族で男の子、14歳で‥
髪型はジェルドとおなじ、ぼさぼさだけど‥髪の色は違って、亜麻色だよ。
‥遠くから見ると、ぱっと見で見分けがつきにくいけど‥
でも、大抵は兜を被ってるから、見えないかな‥。
あ、そうそう。ぼくはナイトをしてるんだ‥‥あんまり腕は良く無いんだけどね。
リスやジェルド‥二人のお陰でなんとかナイト役をこなせてる、って感じで‥
本当はもっともっと、頑張らなきゃいけないんだけど‥
「さて、そうと決まれば‥おっ先に失礼っ、呪符でじょーん!」
「あっ、リス‥‥全く、しょうがないな」
我先に、とばかりに街への帰還アイテムを使用するリス。
そして、そんなリスを「やれやれ」といった表情で見送るぼくとジェルド。
リスはいつも「一番」が大好きで‥こういう時も一番に戻るんだよね。
残されるぼくとジェルドは、ジェルドの魔法で後から追いかけて‥
そんな楽しい「いつも」の時間。
でも‥ぼくは最近、思うんだ‥。
このままで良いのかな、って。
その‥ぼくが二人と一緒でも、良いのかな‥って。

ぼくたちは、昔から‥そう、子供の頃から、ずっと三人一緒だったんだ。
一緒に学校に通って、一緒に冒険者になって、一緒に‥今まで旅をしてきた。
共に努力して、支え合って、喧嘩もして‥でも、すぐに仲直りをして。
そうやって、三人で仲良く過ごしてきたんだけど‥
‥ぼくは最近、思うんだ‥‥「このままで良いのかな」って。
その‥本当は‥本当は。
ぼくなんて要らないんじゃないかな‥居ちゃいけないんじゃないかな、って思う様になったんだ。
理由?それは‥‥そうだね‥
‥リスは、腕の立つシーフだ‥
それこそ、モンスターに狙われても、敵の攻撃をかわしつつ‥倒すことが出来る。
ジェルドの魔法によるサポートがあれば、それは尚更簡単なことになる‥。
つまり、ぼくが居なくても‥リスとジェルドの二人だけで、充分やっていける‥
そう、ぼくなんて足手まといにしかならない‥って思うんだ。
‥あ、でもね‥
その‥「ぼくなんて要らないんじゃないか」って思う理由は、それだけじゃない。
それだけなら、ぼくだって頑張って‥みんなの役に立てるように努力する‥と思う。
でも‥そうなんだ、それだけじゃなくて‥もう一つ理由があるんだ。
‥そっちの方が、重要な‥理由。
本当は‥リスとジェルドの二人は‥‥二人「だけ」で居たいはずなんだ。
どうしてそう思うのかって?それは‥
それは‥そう、この前にぼくが「見てしまった」事に起因する。
この前の、遠出の時に‥ぼくが見てしまった事に‥。

あれは‥そう、リスの提案で怨念洞に行った時の事なんだ。
ぼくはよく知らないんだけど、そこにしかない「特別なアイテム」があるらしくって‥
リスはそれが欲しかったんだって。
勿論、ぼくもジェルドも‥リスが行きたいなら、行かない訳にはいかない。
あ、勘違いしないで欲しいんだけど、行くのを嫌がってる訳じゃないよ?
ぼくだって‥勿論ジェルドだって、リスには色々とお世話になってる‥
逆にリスだって、ぼくやジェルドが協力している事がある‥。
つまり、お互いに「持ちつ持たれつ」って思っている所なんだよ。
それに‥ふふ、ただ手伝うだけじゃなくて‥
そう、ぼくやジェルドも、武器や魔法のスキル上げが出来るものね。
‥ともかく、そんな目的があって、怨念洞に行ったぼく達だったけど‥
行った初日は、不幸にも「リスの欲しいもの」は出て来なかったんだ‥。
まぁ、怨念洞はジュノからは遙か遠くにあるし‥そこに到着するまでに、相当な時間が掛かってしまったから‥
怨念洞内での実働時間が少なかった‥という事も、「欲しいもの」が出て来なかった一番の理由だと思う。
でも、逆に言えば‥そう、時間を掛ければ、きっと出るだろう‥そう思ったから‥
もう一日だけ頑張ろう、って話になって‥安全地帯でキャンプを張る事になったんだ‥けど‥。
問題はその夜に起こったんだ‥。

その夜、ぼくは‥なかなか寝付けないでいたんだ。
そもそも怨念洞は、エルシモ島にあるヨアトル大森林にある。
このエルシモ島は、場所的にも「熱帯」と呼ばれる気候帯の島で‥年中を通して暑いんだ。
せめて雨期なら、時折降るスコールのおかげで、暑さも少しはましになって居たんだろうけど‥
行った時季が悪く‥雨期は過ぎて乾期に入っていたから‥それはもう、暑くって。
夜になっても、ほとんど気温は落ちないんだもの‥。
そのせいでぼくも、なんとか寝付く事が出来た‥と思っていたらすぐに目が覚めちゃったんだ。
テントの中、肌着のみで寝ていたというのに‥寝汗でびっしょり、なんて状態で。
そんなこんなで、起きたぼくだったけど‥すぐに、異変に気がついたんだ。
そう‥ぼくの隣で寝ていた筈の、二人が‥リスとジェルドが居ない事に。
‥あ、そうだった‥あのね、ぼく達はいつも、一つのテントの中で三人一緒に寝てるんだ。
ほら、タルタル族って小さいでしょ?一般的なテントなら、三人でも充分寝られるんだよ。
三人で寝るには、少し暑かったけど‥それでも一つのテントで寝たんだよね。
‥だって、普段のクセで‥一つしかテントを持ってきていなかったから‥。
と、ともかく‥そんな状況だったんだけど、目が覚めたら二人が居なくて‥。
でも、何かのアクシデントに巻き込まれた‥って訳ではなさそうだ、って思ったんだ。
鎧を着ていないぼくはともかくとして、二人なら裸でもモンスターの相手を出来るくらいだもんね。
リスならモンスターの攻撃をかわして‥ジェルドなら魔法で対応して‥ってね。
で‥そうなると二人はどこに居るのかな?って思ったんだけど‥
もしかしたら、二人共暑くて‥近くの泉で水浴びでもしてるのかもしれない、なんて思ったんだ。
丁度近くに‥とは言っても、歩いて2,3分は掛かる所だけど‥綺麗な泉があったんだよね。
ふふ、夕食を食べた後に、みんなで水浴びもしたし‥その時はとても気持ちよかったから。
‥なんて、その時の事を思いだしたら‥うん、ぼくももう一度水浴びをしたくなっちゃった。
二人はきっと‥いや、絶対泉に居る!‥そう思い込んで、ぼくは泉へと行く事にしたんだ。
そこも安全地帯の一角で、モンスターは居ないし、肌着のままで移動しても大丈夫な筈だし‥。
ぼくは肌着のままテントを出ると、水の冷たさへの期待を胸にしながら‥泉の方へと向かった。

ゴツゴツとした岩が、周囲を取り囲む‥綺麗な泉。
テントの位置からは、まず岩が見えてきて‥そして泉が、その向こうにあった筈だ。
ぼくも、泉に向けて歩き始めて‥まずはその岩が視界に入ってきた。
そして‥もう一つ‥聞こえてくる音や声があったんだ。
それだけで、二人がそこに居る、っていう証拠になる‥けど‥‥気になる事もあって‥。
音は‥うん、水音‥っていうのかな、でもそれは‥おかしくない。
二人で冷たい水を掛け合ってるから‥って思ったらおかしくないものね。
でも‥問題は声だったんだ。
水を掛け合うとしたら、想像できる声‥「それっ!」とか「やったな!」とか‥そういう楽しそうな声じゃなくて‥
‥その‥なんて言ったらいいのかな‥「あっ」とか‥「やぁっ」とか‥なんだか元気の無い声‥
ううん、意図して声を落としているような‥そんな感じのする声が聞こえてきて‥
‥その‥ね、なんとなく‥なんとなくだけど‥
‥‥‥えっちな雰囲気がしたんだ‥‥。
とっても‥えっちな事をしていて、それで‥声を出してるような、そんな雰囲気‥。
‥本当は、そこで‥ぼくはテントに戻っておけば良かったんだ‥。
良かったんだけど‥‥でも、好奇心とか‥もしかしたら、っていう思いが勝っちゃって‥。
ぼくは‥泉からは見えないように、岩陰に隠れつつ‥更には足音を忍ばせて‥近づいたんだ。
‥泉に近づくにつれて、「音」や「声」が段々とはっきりしてくる‥
それは‥とってもえっちな音‥声で‥
そして‥泉を覗いた時に見えたものは‥
‥‥ぼくの想像した通りのものだったんだ‥。
「んッ‥‥ジェルドぉ‥‥良いよおッ‥もっと‥‥突いてッ‥」
「リスは‥えっちだね‥こんなに締め付けてきて‥‥すぐに出ちゃいそうだよ‥」
甘い声を上げている、裸の二人‥。
岩に手を突き、ジェルドに向けてお尻を突きだしているリス‥
そんなリスの腰をつかみ、リスのお尻めがけて腰を往復させるジェルド‥。
ジェルドはのけ反るリスの耳元で、甘い言葉を囁いて‥
リスは振り返りながら、切なそうな言葉を返している‥。
時折見える、二人の身体の間からは‥
リスのお尻の中へ、何度も何度も‥そして深々と入っていく、ジェルドの大きくなったおちんちんが見える‥。
普段の‥その‥ぼくとおんなじ、ちっちゃなおちんちんとは全然違う‥大きなおちんちん。
とっても大きくて‥太くて‥あんな‥あんなのが‥お尻の中に入るなんて‥。
でも、入れられてるリスは‥とっても気持ちよさそうな表情と、声を出してる‥。
リスのおちんちんだって、大きくなっていて‥ああ、とっても‥えっちで‥‥。
二人が何をしているのかは、ぼくにだってなんとなく分かる‥分かるけど‥
‥でも、二人共男の子なのに‥男の子同士で、その‥えっちなことするなんて‥。
そんな事しちゃ、いけないのに‥ダメなのに‥
でも‥僕が幾ら「ダメ」って思っていても‥
‥二人のえっちを見た事で、僕のおちんちんだって、大きくなってる‥興奮しちゃってる‥。
下着のなかで、張り裂けそうな位に大きくなって‥「触って欲しい」って言ってるみたい‥。
思わず‥自分でも手が伸びてしまって‥
‥触れてみると、凄く‥凄く気持ち良いんだ‥。
その‥いつも夜、自分でしている時よりも‥凄く‥気持ちよくて。
ダメなのに‥二人が愛し合ってる所を見て、こんな‥おちんちん大きくしちゃうなんて、ダメなのに‥。
どうしても‥触っちゃうんだ‥。
だって‥だって‥気持ち良いんだもん‥。
ぼくは、直接おちんちんを触りたい、っていう衝動をなんとか抑えて‥
下着の上から‥まどろっこしい様な、穏やかな刺激を与え続ける‥。
その、決して「気持ち良すぎる」とは言えない‥そんな柔らかな刺激に、それでもぼくの心は昂ぶっていくけど‥
‥反面、寂しい様な‥悲しいような‥何とも言えない気持ちが、徐々に込み上がってくる。
二人はあんなに‥愛し合って、互いを求めあっているのに‥
ぼくは一人で、こうして自分を慰めることしかできないでいる‥。
なんて‥なんて‥
そんな風に考え始めるぼく‥でも、勿論二人がぼくの気持ちを知る訳が無い。
むしろ、僕がここに居る事さえも知らない筈だ。
‥そんな二人の動きは‥ぼくの見ている前で、徐々に激しさを増していく‥
ジェルドは激しく腰を打ち付けるように‥リスはお尻を突き出す様に‥
そして‥二人の声も‥もっと甘いものになっていく‥。
「良いよぉ‥‥ジェルドぉ‥きて‥‥ボクの中に‥一杯出してぇ!」
「いくよ‥リス‥僕の出すの‥全部飲み込んでッ!」
きっと‥二人共、もうそろそろ‥なんだと思う。
そう、二人は愛し合って、共に‥‥共に‥‥。
そこまで考えて‥さっきのぼくの思いが、再び頭をよぎる‥
‥二人は‥愛し合う‥‥ぼくは‥一人で‥‥
強く‥そして重く‥ぼくの頭の中をよぎって‥そして‥
ぼくは‥言いようの無い寂しさと‥悲しさが‥溢れてきたんだ。
興奮していた気持ちは、すぐに沈静化して‥おちんちんだって、小さくなっていく。
もう‥二人を見ていられない‥
もう‥ここに居たくない‥
もう‥‥‥もう‥‥
そんな悲痛な気持ちを抱きながら‥
僕は、そっとその場を後にした‥そう、僕は逃げ出したんだ‥
二人の姿を見ているのが‥辛くて‥逃げ出したんだ。
‥‥
でも‥テントに戻り、横になってみても、寝付ける筈が無くて‥
それでも、眠らなくちゃ‥って考えて、ぼくは横になって‥ぎゅっと目を瞑っていたんだ‥。
二人が戻ってくる前に寝なくちゃ‥って、ただそれだけを考えて。
‥でもね、目を閉じたら‥瞼の裏に浮かんでくるのは、さっきの二人の姿‥。
愛し合う‥二人の‥姿‥‥二人の‥‥そう、二人の‥‥
‥ぼく一人が、のけ者にされたように思ってしまって‥
気がついたら、ぼくは‥泣いていたんだ‥。
声は抑える事ができた‥けど、涙はどんどん溢れてきて。
そして‥泣き疲れちゃったのかな‥。
ぼくはいつしか‥‥眠ってしまっていたんだ。

翌朝‥二人は何事も無かった様に、ぼくに接してくれたけど‥
でも、二人の「本当の心」を思うと‥ぼくの胸には悲しみがこみ上げてくる‥。
でも‥でも、二人の前でそんな顔を見せたくないから‥だから‥
ぼくは‥‥必死になって普通の表情を作っていたんだ‥。
でも‥不思議だね‥。
その後、モンスターとの戦闘中は‥二人だけじゃなくて、ぼくも‥「今までのぼく」で居られた。
昨夜あったあの事は、忘れたように‥普段の自分を出せたんだ。
戦闘に集中出来たから‥だから‥一時的にでも、忘れられたのかな?
‥そしてそれは、今日の戦闘中も同じで。
さっきまでは、「あの夜の事」なんて微塵も思いださなかった。
でも‥今は。
戦闘を終えて、ジュノに戻ってきた今は‥違う。
ぼくの頭をよぎるんだ‥あの時の二人の姿が‥
あの時の二人の‥表情が‥。
だから‥だから‥ぼくは思う。
‥ぼくなんて、要らないんじゃないか、って。

「さーって、次は何を食べるかなぁ?ふふっ♪」
いつもの様に、夕食を食べるため‥酒場・マーブルブリッジにやってきたぼく達。
だけど、ぼくにはいつもの元気はなくて‥。
だって、それは‥
「ほら、リス‥野菜も食べないと。肉ばっかりじゃ、身体に悪いよ」
‥二人の楽しそうにしている姿を見ると‥
早々に身を引いた方が良い、って思っちゃうから‥。
でも‥でも、ぼく‥‥我が儘だから‥。
「えー?やっぱり大事なのは肉だよ、肉!」
我が儘で‥寂しがり屋で‥きっと一人になったら‥‥。
‥一人になったら、冒険者なんて‥
きっとぼくには‥
「じゃあ、間をとって魚だな‥‥ん、どうしたの、ネイン?全然箸が進んでないぞ」
‥あっ‥‥。
ぼくが‥食事もせずにうつむいていたから、かな‥
ジェルドはぼくの事を気遣うように、ぼくの方を見て‥
「あ‥‥ぼくは‥なんでもないよ、うん‥」
‥だめ‥ぼくなんかよりも、リスの心配をしてあげてよ‥。
大事な‥大事な人なんだよね‥
ぼくのことなんて、そんな‥
「ん-、やっぱりおかしいぞ?‥なんだか元気の無い様に見えるし‥」
「あぁ‥そうだ。ネイン、身体の調子でも悪いのか?」
二人揃って、ぼくの顔を覗き込むようにして‥ぼくはますます、俯いてしまう‥。
うう‥そんな‥ぼくは‥ただ‥‥
‥言った方が良いのかな‥『二人の仲の事、知ってるよ』って‥
‥‥『だから、ぼくは身を引くね』って‥
「あ‥の‥‥‥その‥‥ぼく‥‥」
でも‥ぼく、だめなんだ‥。
肝心なときに、言葉が出ない‥。
「ん‥?なんだかハッキリしないなぁ。言いたい事があるなら言わなきゃ!」
「そうだぞ‥僕達、長い付き合いだろ?‥隠し事は無しだ」
その‥ジェルドの言った「隠し事」という言葉に‥
ぼくは思わず反応してしまう。
「‥隠し事‥‥してるのは、二人の方‥だよね?」
あっ‥と思った時には‥もう遅かったんだ‥。
思わず‥その‥自分で言った「隠し事」という言葉に、ぼくは言葉を繋げてしまった‥。
『‥‥ん?』
そう言われた二人は‥互いに顔を見合わせて、首をかしげてる。
‥無理もない‥よね。
その‥あんな事してるのを、見られてた‥なんて思ってないだろうし‥
「あの‥ね、ぼく‥見ちゃったんだ‥。前の遠出の時に‥二人が、泉で‥その‥」
‥えっちな事をしてる所を‥という言葉は、ぼくの口からは出て来なかった‥。
‥その‥恥ずかしくて‥出て来なかったんだ。
でも‥二人にはそれで充分分かったみたいだった。
『‥‥あぁ』
二人はもう一度顔を見合わせて、納得したような‥低い声を上げてる。
その様子は‥息もぴったりと合っていて‥本当に仲が良い‥んだよね‥。
だから‥
「‥だから‥ふ、二人が‥あ、愛し合ってるなら‥ぼ、ぼくの事は忘れて‥うぅ‥ひっく‥」
‥だから、二人が愛し合っているなら、ぼくの事は忘れてくれればいいから‥
そんな短い文章が‥ぼくは言えなくて。
‥最後は涙をぽろぽろと流して‥ぼくは泣き崩れてしまったんだ‥。
ぼくって‥泣き虫で‥弱虫で‥本当に‥
そんなぼくに‥しかし、二人は慌てて声を掛けてくる。
「い、いや‥ちょっと待って、ネイン」
「そうだ‥ネイン、ちょっとだけ誤解をしてるぞ」
二人の声はとても慌てているけど‥でも、嘘をついているような様子じゃない‥
ぼくだって、二人とは長い付き合いだから‥嘘をついていたら、すぐに分かる‥から。
でも‥
「‥誤解‥?」
ぼくが思わず、オウム返しに聞き返した‥その言葉。
‥誤解‥って‥何だろう‥?
ぼくが誤解してることって‥?
「あぁ‥ボクが‥いや、ボク達が本当に好きなのは‥」
「‥ああ、そうだ‥‥ネインなんだ」
「‥‥‥‥‥え?」
突然、リスが‥そしてジェルドが言った、その言葉に。
ぼくは‥頭の中が真っ白になってしまっていたんだ。
でも、すぐに我に返って‥言葉の意味を考え始める。
い、一体‥どういう事?
二人が好きなのは‥ぼく?
それって‥えっと‥‥‥え?
全然頭がまわらないぼくに、二人は次々と‥言葉を投げかけてくる。
「その‥さ、ボク達、二人共ネインの事が好きなんだけど‥」
「‥ネインはほら、大人しいというか‥王子様みたい、というか‥」
「と、とにかくさ‥『汚れを知らない純粋なナイト』‥ってイメージでしょ?」
「だから‥僕達は手を出すのをぐっと我慢して、代わりにお互いで性欲を発散させてた‥って訳だ」
二人から次々と飛び出してくる単語に‥
ぼくの頭は、とてもじゃないけど理解が追いつかない‥
「‥‥えっ‥?‥えええっ!?それって‥」
「だから‥ネイン、好きだよ」
「‥僕だって大好きだ‥ネイン」
そして、理解が進まずに慌てるぼくに、二人の「愛の告白」が突き刺さる。
二人の顔‥表情は、とても真剣で‥‥嘘や冗談を言ってる様には見えない。
真剣な表情‥真剣な瞳で‥じっとぼくを見つめていて‥
そんな二人に、ぼくはますます‥混乱してしまう。
‥その‥二人に告白されるなんて‥‥ぼ、ぼくは‥一体どうしたら‥
「‥と、とりあえず、ちょっと待って‥ぼくは‥」
とりあえず、ゆっくりと考えさせて欲しい‥
そう言う意味合いを込めて、ぼくは両手を二人の方に出し‥二人の言葉を制止しようとする。
それこそ、「ちょっと待って」という風に。
でも、二人は‥
「もう‥待てないよ。今までたっぷり待ったんだから‥ね?ジェルド」
「あぁ、リスの言う通りだ‥可愛いネイン‥‥‥スリプル」
二人は、視線を交わして頷き合うと‥それを合図にして、ジェルドが突然魔法を唱え始める。
‥スリプル‥睡魔を誘う魔法を。
そして、その魔法の対象となったぼくは‥あっけないほどすぐに、眠りの中へと沈んでいった。
この時ほど、ナイトの特性‥レジストスリープが効かなかった事がぼくには‥
悲しかったような‥嬉しかったような‥
‥ああ、ぼくは何を言ってるんだろう‥。
とにかく‥心地よい反面、目の覚めた後が恐ろしいような‥
そんな眠りの中へと、ぼくは落ちていった‥。


  
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