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星芽寮交響曲

17話『温もり』

 ←その91『三○○ その2』 →その92『三○○ その3』
7月9日 朝
 

「‥‥もう‥‥朝なんだ‥」
朝‥カーテン越しの、明るい太陽の光を感じて、僕は思わず呟く。
さっきまで夜だと思っていたのに‥いつのまにか朝が来ている。
‥朝なんて来なくても良いのに‥‥ずっと夜で‥眠っていられたらいいのに。
ふと‥頭の中に現実逃避のような、そんな思いが浮かんできて‥
僕は慌てて首を左右に振る‥とは言っても、ベッドに横になったままだから、ロクに振れないけど‥。
とにかく‥幾らショックな事があったからって、悪い方へと考えるのはよそう。
思えば、昨日一日僕は‥ずっと落ち込んでいて、みんなにも心配を掛けてしまった。
今日は‥うん、いつもの僕に戻って、そして‥。
‥いつもの僕‥か‥。
いつもの様に、お仕事して‥本を読んで‥みんなとお喋りを楽しんで‥そして‥
‥脳裏によぎるのは、キルクさんの事‥
それに連鎖するように、頭の中に浮かんでくる‥あの光景。
キルクさんと‥ケイトさんの‥‥ああ‥‥。
僕は必死になって思い出さないようにするけど‥嫌でも頭に思い浮かんでくるんだ。
僕の聞いた事の無い‥甘い声を出すキルクさん‥
気持ちよさそうな声を上げる‥キルクさん‥ああ‥‥
どうして‥どうして。
どうして‥‥キルクさん‥‥。
やっぱり僕が‥あの時、キスをはねのけたから?
あの時、僕がキルクさんのキスを‥受け入れていれば‥。
‥‥止めよう。
そんな事を考えたって、今は‥どうしようもない‥。
だけど‥‥だけど‥‥。
それでも脳裏に浮かんでくるんだ‥あの光景が‥
嫌だ‥もう、考えたくない‥あんな事‥思い出したくない‥!
思わず僕は上半身を起こして‥そして‥首を左右に振ってみる。
忘れたい‥忘れたい‥忘れろ‥忘れろ‥‥そんな風に何度も念じて‥でも‥
‥‥忘れられなくて‥
気がついたら、また‥僕の目からは涙が溢れていた‥。
ぽろぽろと‥涙が‥うう。
ダメ‥泣いちゃ、ダメだ。
こんな所、ヤダンにでも見られたら、また‥心配を掛けちゃう。
昨日だって、ずっと心配させて‥‥あ、ヤダン‥まだ目を覚ましてないよね?
僕は慌てて涙を拭くと、そっと‥隣で寝ているヤダンを振り返る。
ヤダンは‥まだ眠っているみたいで、静かに寝息を立てていて‥良かった。
‥とにかく‥今日はもう少しだけ元気になろう‥そう思っても、本当になれるものなのかは分からないけど‥
みんなに心配を掛けないようにしよう‥うん。
‥キルクさんの事は、今は‥今日は‥考えないようにしよう。
‥ちゃんと答えを出さなきゃいけない問題だけど‥今は置いておこう‥。
今は‥今だけは。
とりあえず‥今が何時なのか、確認しようかな。
昨晩は早くに寝たし、今はまだ早い時間だと思うけど‥とりあえずは。
そう考えて、僕がベッドから降りようとした時‥
「ん‥んん‥‥ふぁあああ‥‥」
ヤダンがそんな声とと共に、大きなあくびをして‥ゆっくりと身体を起こしてくる。
どうやらヤダンも目が覚めたみたいだ‥うん、まずはヤダンに元気よく挨拶‥だね。
‥心配させないように‥元気に。
「‥お‥おはよう、ヤダン。‥気持ちの良い、朝だね」
その時の僕は‥ぎこちないながらも、微笑みを浮かべて‥元気に挨拶ができた、と思う。
‥言葉はちょっと、白々しいかな‥なんて思ったりもしたけど。
「ん‥あぁ、おはよう、ピノ。‥良い朝だな」
最初はねぼけまなこを擦っていたヤダンだったけど‥
僕の言葉に、ぱっと目を見開いて。
そして‥嬉しそうに返事をしてくれたんだ。
これなら‥‥うん、これなら。
きっと大丈夫‥今日は大丈夫。
きっと一日、元気に過ごせる‥なんて、僕は思っていたんだけど‥
‥そんな僕の考えは、早々に崩れてしまったんだ‥。


「ふぅ‥ようやくお昼‥かぁ‥」
午前中の仕事をなんとか終えて‥僕はようやく一息つくことが出来た。
とは言っても、本当に一息ついている暇は無いんだ。
本当なら、昼食を食べている時間‥そんな時間まで、午前中のお仕事がずれ込んでしまって。
だから、食堂へも急いで行かなきゃいけないくらいなんだ。
‥それでも、昨日にくらべればどれだけマシか分からない。
昨日は‥ずっとショックを引きずっていて、全然仕事が手に付かなかった‥から。
それでもなんとか仕事を終えられたのは、ディル達の助けがあったから‥だよね。
でも、今日はそんな訳にはいかない。
気をしっかりもって、仕事を進めないと‥って思うんだけど‥。
僕自身が、まだ本調子じゃないのかな‥なんだか仕事が進まなくて‥。
いや‥本調子とか以前の問題だね‥そう、原因は調子じゃなくて他にあるんだ。
仕事の合間に‥いや、仕事をしている最中でも、ふとすれば‥頭の中に浮かんでくること‥。
それは‥キルクさんの事。
一昨日の銀河祭の顛末が、どうしても頭から離れないんだ‥。
考えている場合じゃない、仕事に集中しないと‥とは思っていても、
いつのまにか‥僕は考えてしまっているんだ‥。
‥あぁ、僕は‥
「‥ディル、ちょっとええか?」
またしても沈み込んでしまいそうな‥そんな意識の中で。
僕は声を掛けられたのを引き金に、はっと我に返ったんだ。
その声、そしてそのしゃべり方‥声を掛けてきたのが誰なのかなんて、すぐに分かるよね。
僕は咄嗟に笑顔を用意して‥ディルの方へと向き直ったんだ。
「あ、うん、何かな?ディル」
見ると、ディルは‥なんだかいつもと違う、真剣な表情をしていて‥。
‥やっぱり僕、いつもと違うから‥だからディルは心配して‥
‥いや、昨日と今日の仕事の進め方を、注意しにきたのかもしれない‥
なんて、いくつかの可能性を僕は考えたんだけど‥そのどちらでもなかったんだ。
「ああ‥いや、今日、仕事が終わった後、ちょっと時間くれへんか?」
仕事を終えた後に‥時間。
その真剣そうな表情からしても、「ユランのお店に寄っていこう」という話じゃなさそうだし‥
‥もしかしたら‥‥いや。
とにかく、僕に何か話がある、って事だと思うし‥
今日、仕事を終えた後は‥特に用事や約束だって無いし‥うん、大丈夫だね。
「うん、良いよ。それじゃあ、仕事を終えた後‥えっと‥」
「ああ、迎えに来るから、待っといてくれたらええ」
ディルはそう言うと、ゆっくりと自分の持ち場へと戻っていって‥
‥なんだかディルも、いつもと違って‥真剣そのもので‥。
あ、いや‥仕事中のディルはいつだって真剣だよ。
でも、普段お話をするときのディルは‥どことなく優しい表情をしていたものだけど‥
今日のディルは‥そう‥って、あっ!
いけない、僕のお昼御飯の時間が終わっちゃう‥早く食堂に行かないと。
ディルの事も気になっていたけど、それよりも‥と、僕は慌てて食堂に向かったんだ。


「あの‥また、仕事手伝わせちゃって‥ごめんね」
仕事を終えた後‥僕とディルは、二人揃って歩き出した。
‥どこに行くのかは分からないけど‥先行するディルの背中を追う様に、僕はてくてくと歩いていく。
そんな、歩き始めた中‥僕がディルに言った言葉がこれだったんだ。
‥そう、昨日に引き続き、今日も‥午後の仕事がなかなか終わらなくて。
そんな僕をディルが見かねて、手伝ってくれたんだ。
本当に‥いつもディルには迷惑ばかり掛けて‥ごめんね、ディル‥。
そんな僕の言葉に、ディルは顔だけをくるりと僕の方に振り向かせて‥
「ん‥いや、かまへん。誰でもそういう時はあるさかいにな」
いつもの微笑みを浮かべながら、そう言ってくれたんだ。
ああ、いつものディルだ‥いつもの、優しく微笑んでくれる‥ディルだ。
‥なんて、僕は感傷的に思ってしまって。
だって、今日は一日を通して、真剣な表情のディルばかり見ていたから‥
だから、こうして微笑んでくれるディルを見ると‥うん、なんだかとっても安心するんだ。
‥でも‥僕達が目的地に着いて、話を始める時には‥
きっとディルはまた、真剣な表情になるんだろうな‥。
‥一体僕は、何を言われるんだろう‥。
まぁ‥考えられる事は、幾つか‥あるけれど。
そんな風に考えながらも‥僕はディルの後ろをついていったんだ。
それにしても‥ディルはどこに行くつもりなんだろう‥?

「夕陽に染まる海‥かぁ‥」
その光景を見て‥僕は思わずそんな言葉をこぼしていたんだ。
ここはウィンダス港‥目の前には、夕陽色に染まる海が広がっていて‥とても綺麗だ。
‥昔、子供の頃は‥こうして海をじっと見た事もあったけど‥
いつからか、足を止めて海を見るなんて事‥無くなっていたかな‥。
「ボクもな、この海は‥よう見にくるんや。‥故郷の海と、よう似ててな」
ウィンダス港の一角‥人通りも少ないこの場所で。
ディルはそう言って、海を見つめている‥「懐かしいな」っていう顔をしながら。
僕も、そんなディルの隣に立ちながら‥同じ様に海を見つめていたんだ。
「なぁ、ピノ‥辛い時‥悲しいときはな、泣いたらええんやで」
「えっ‥」
海を見ている僕に対して、突然‥ディルはそんな事を言ってきて。
僕は慌てて‥ディルの方を見たんだけど‥。
‥その表情は、いつの間にか‥真面目な顔に変わっていて‥
ディル‥‥。
「ボクにはな、昨日今日と、ずっとピノが泣いてる様に見えるんや‥。
 泣きたいのに、泣きとうてたまらんのに‥それをぐっと堪えて、辛そうにしてる‥そんな風に見えるんや」
僕が‥泣いてる‥?
そんな‥そんな、そんな事を言われても‥僕は‥。
‥僕は何も言えない‥。
そうだよ‥なんて言えないし‥泣いてなんかないよ‥‥っていうのも‥何だか違う様な気がする‥
だから、僕は‥‥僕は、何も言えない‥。
何も言えず、俯いている僕に、ディルは‥すっと身体の向きを変えて‥
‥そう、僕の方を向いて‥言ってきたんだ。
今度は‥とても優しい表情で。
「でもな‥そういう時は泣いたらええんやで」
「ディル‥」
そんな‥泣いたらいい、なんて言われても‥。
僕は‥僕は‥‥泣いちゃだめだ、ってずっと‥思ってたのに‥。
みんなに心配を掛けるから‥
みんなを困らせるから‥
泣いちゃ‥だめだって‥
僕は‥必死で‥我慢して‥
そう考えていたのに‥でも、ディルは‥。
‥ディルの言葉に、僕の中の‥何か‥涙を抑える何かが、壊れていく‥
身体の中の涙が‥徐々に込み上がってくるのが分かる‥
でも‥‥でも‥‥
「涙はな、雨‥なんや。‥目から溢れる雨‥それから‥心の悲しみを、辛さを流してくれる‥雨。
 泣いて‥悲しみを、辛さを‥流したらええねん。‥それが、過去になって‥いつかは思い出になる、それまで‥」
雨‥涙は‥雨‥悲しみを‥辛さを‥流してくれる‥雨‥。
悲しみ‥‥辛さ‥‥
‥‥キルクさん‥
キルクさん‥‥どうして‥‥どうして‥‥。
僕は‥頭の中が‥もう、あの時のことで一杯になってしまって‥
‥気がついたら、声を出して泣いていたんだ‥。
俯きながら‥延々と涙を流す僕‥。
ディルの言う通り、まるで雨の様に‥。
そんな僕を‥ディルはそっと‥肩を抱いてくれて‥。
そんなディルの優しさに‥甘えるように。
僕はディルの胸に‥顔を埋めて泣いたんだ。
ディルもまた、顔を埋める僕の‥その背中に手を伸ばして、包み込んでくれて‥。
‥ディルの身体が‥手が‥温かかった‥
ディルの触れる場所全てが、とっても‥温かくて‥
「泣いたらええ‥気の済むまで泣いたらええんや‥」
声を上げて泣き始めた僕を、ずっと抱いていてくれたディル‥。
優しい声、優しい言葉だって掛けてくれて‥。
僕は‥ディルの言葉に甘えるように、ずっと‥泣いていたんだ‥。

5分‥10分‥もっと長く‥‥いや、もっと短かったのかもしれない。
ずっと泣いて‥泣いて‥泣き続けて。
ようやく涙が収まりかけてきた頃に‥僕はディルの胸から少しだけ顔を離した。
そして、ちょっと痛くなった目元を撫でて、涙を拭ったんだ。
多分、目が真っ赤になっているんだろうけど‥まだ、俯いたままだし‥見えてないはずだよね。
「ご‥ごめんね、その‥みっともないところ、見せて‥」
僕は、真っ赤になった目をディルに見せないように‥俯いたままでつぶやく。
‥いや、違うよね‥これだけ恥ずかしいところ見せたんだもの‥もう、恥ずかしい事なんて無いよね。
僕は言葉を言い終えた後で、ゆっくりと顔を上げて‥ディルの方を見たんだ。
そうしたら‥思いの外ディルとの距離が近くって、びっくりしちゃった。
ディルもそれは同じだったみたいで、慌てて‥僕の身体から手を放して。
ふふ‥ディルってば、今になって‥照れたように顔を赤くしてるんだから。
‥でも‥ディルの言う事は本当だね。
たっぷり泣いたお陰で、少しだけ‥うん、全部じゃないけど、少しだけ‥
心の中から「悲しい思い」「辛い思い」が‥流れたような、そんな気がする。
「そ、そんな‥みっともない事なんて無い。
 ボクの事を、ピノが友達や思てくれてるから、せやから‥泣いてるトコを見せてくれてるんや。
 そう思うと、ボクは嬉しいんやよ。‥こんなん言うたら、泣いてるピノに不謹慎やけどな‥」
照れながらも‥そんな優しい言葉を掛けてくれるディル。
友達‥友達だから‥かぁ。
うん、そうだよね‥僕達、大事な友達同士だから‥だから‥
「ふふ‥ありがとう‥ディル‥」
僕は‥ようやく笑顔を見せて、ありがとう‥って言う事が出来た‥と思う。
‥まだ、本当の笑顔じゃない‥いつもの60%位の笑顔だけど、それでも‥。
でも、ふと見たディルの顔は‥もう、照れている顔じゃあなかった。
また‥真面目な顔になっていたんだ。
‥まるで「まだ話す事がある」とでも言うかのように。
「なぁ、ピノ‥‥その、蒸し返すようで‥悪いんやけど」
真面目で‥真剣な表情のまま‥
勿論、声だって真剣そのもので‥ディルは話し始める。
その言葉に、ディルもあまり話したくはなさそうな‥そんな類の話だという事は、察しが付くけど‥
具体的にどんな話なのかは、勿論分かる筈も無くて。
一体、何だろうと考えながら‥僕はただ、じっと‥何も応えずに、ディルの次の言葉を待った。
「その‥良かったらな、話してくれへんか‥?ピノの‥悲しい事、辛い事。
 ボクは、ピノが‥まだ何か大きいモン抱えてる様に思うんや‥。
 さっきの笑顔にしても、なぁ‥まだいつもの笑顔やない‥そう思うから‥」
ディル‥よく見てるんだ‥僕の事。
その‥正直言ってびっくりしちゃった‥だって、さっきの笑顔の事まで、分かっちゃうなんて。
でも、その‥僕の‥‥悲しい事、辛い事を‥話すなんて‥。
悲しい事、辛い事‥‥勿論それは‥‥キルクさんとの事で‥
ディルの言う通り、僕の心の中でまだ「重い記憶」として残っているものだ‥。
でも‥でも、それをディルに話すなんて‥
そんな‥‥事‥‥
‥‥‥ううん。
ディルなら‥‥ディルになら。
話しても良いんじゃないかな‥。
こんな事を話すのは、恥ずかしくて‥本当は誰にも言いたくなんて無い事だけど‥
それでも‥‥‥それでも‥‥。
ディルの言う通り、話す事で‥少しは楽になれるのかも知れない‥。
‥心の整理がつくのかもしれない‥。
そんな風に、思ったから‥
‥‥だから。
僕は決心して、ゆっくりと‥話し始めたんだ。
僕が、キルクさんと付き合っていたこと‥
銀河祭の日も、キルクさんと一緒に過ごして‥
‥でも、色々とあって‥結局、キスを求められても拒んでしまったこと‥
謝ろうと、鼻の院に行って‥そこで‥
‥キルクさんと、別の人との‥えっちを見てしまったこと‥
淡々と‥僕は話したんだ‥。
勿論、話している間に、振り返って‥色々と思うことはあったけれど。
‥さっきあれだけ泣いたから、かな‥悲しく思うことは無かったんだ。
ううん、むしろ‥ディルに聞いて貰って、心がラクになった様な気さえする。
本当に‥ディルの言う通り、だね。
一方のディルは‥何も言わずに、僕の話を最後まで聞いてくれて。
そして‥最後に言ってくれたんだ。
「そう‥やったんか‥‥ピノ‥辛かったやろうな‥。
 ‥ごめん‥ボク、あれだけ格好付けた事言うといて、何やけど‥‥上手い言葉が‥見つからんねん‥」
僕の話を聞いて‥色々と感じた事もあるんだと思う。
最後には俯いたまま‥優しくそう言ってくれたディル。
まるで僕の気持ちを分かってくれている様に‥とても悲しそうな声‥申し訳なさそうな声で。
ディルは‥辛そうに「何も言えなくてごめん」なんて言ったけど‥ううん、それは違う。
‥あんな話を聞かされて、びっくりしただろうから‥すぐに浮かんでくる言葉なんて無いだろうし、それに‥
「ううん‥いいんだ。ディルに話しただけでも‥楽になったんだから」
‥僕はディルに話を聞いて貰って‥本当に心が楽になったんだ。
これは嘘じゃない‥少しだけ‥ううん、沢山の‥心の中の重みが取れた様な、そんな気がして。
でも‥‥
「そう‥か」
楽になった一方で、少し‥少しだけ、気がかりなことがあって‥。
それは‥‥うーん‥‥
‥うん、やっぱり聞こう‥聞いてみよう。
「うん‥‥でも、ディルは、その‥」
‥聞こうと思ったのは良いけど‥
やっぱり僕には意気地が無いや‥肝心な所で、声が出て来ないんだから。
「うん‥?どないしたんや?」
ディルは‥再び顔を上げて、僕の方を見つめてきたんだ。
その表情は、心配そうな顔をしていて‥
うん、もう一度‥気持ちをしっかり持って、ディルに話そう‥うん!
「‥ディルは、今の話を聞いても、僕の事‥友達だと思ってくれる‥?」
僕の‥心配したこと。
それは、もしかしたらディルが僕の事を‥気持ち悪く思って、離れていってしまうんじゃないか‥って事。
だって‥だって、僕は‥
「え?どういうこっちゃ‥?」
心配している僕を余所に、ディルは気がついてないのか‥不思議そうな顔をして、首をかしげている。
‥気がついてない‥いや、気にしないでいてくれてるのかな‥
だったら‥‥いやいや、ちゃんと言っておこう。
「その‥僕、男の人と付き合ってたんだよ?‥それでも、僕の事‥」
そう‥僕がキルクさんと付き合っていた事‥つまり‥
僕は男の人‥同性と付き合っていた事になる。
‥そういうのって、やっぱり‥気持ち悪がられないかな‥って思って‥。
でも、僕が‥言葉を終える前に。
そう、ディルに「それでも僕の事、友達と思ってくれる?」って‥言う前に。
ディルは答えてくれたんだ。
「‥なぁ、ピノ。人が人を好きになるのは、自然の事や。‥例えそれが、異性であっても‥同性であっても。
 せやから‥別にそんな事はどうでもええねん。どっちであれ、ピノはピノ‥やろ?」
最初は真剣に‥そして徐々に、優しく微笑み始めて‥
そんな‥そんなディルの言葉に‥そして笑顔に‥
僕は嬉しくて‥また涙がこぼれそうになってしまう。
‥勿論それは、うれし涙だけど‥ふふ、ちょっと泣き虫すぎるよね、僕。
だから今は‥ちょっとだけ涙を堪えて。
代わりにちゃんと‥お礼を言おう。
「‥‥うん‥ありがとう、ディル‥本当に‥本当に‥」
‥友達に‥大事な‥大事な友達に。
「ほら‥たっぷり泣いて、疲れたやろ?‥ちょっと時間遅うなったけど、ユランの店でも寄っていこか?」
「‥うん!」
涙を堪えて「ありがとう」を言う僕に‥ディルはいつもの笑顔で話し始めたんだ。
いつものディルの笑顔。
いつものユランのお店。
いつもの‥二人並んで歩く道。
ああ‥いつもの‥いつもの僕達に戻れた‥そんな気がして。
その時‥僕は‥久しぶりにいつもの笑顔を出せたんだ。
‥‥でも‥‥
でも、そんな「いつも」の中に‥少し‥そう、少しだけ。
少しだけ、「いつもじゃない」ものが混ざり始めていたんだ。
それは‥少し前に僕が感じた感覚。
僕の背中に、温かなディルの手の感触があって‥
更にはお腹や、顔の方にも、ディルの温かな身体の感触があって‥
温かさに‥そして優しさに‥‥包まれている様な感じ‥
そんな感じが、ずっと‥今でも身体に残っているような、そんな‥
‥って、ぼ、僕、何を考えてるんだろう‥
本当に‥‥もう‥。


「あ、ディル‥それにピノ!こっちだヨ、こっチ!」
ユランの勤めているお店に入ってすぐに。
フリストの驚きと‥そして嬉しそうな声が聞こえてくる。
僕とディルはフリストの座るテーブルの方へと向かって‥あ、ユランも一緒みたいだ。
そうか、いつもよりも遅い時間だし‥ユランはもう、仕事の終わる時間なんだね。
「やっ、フリスト‥それにユランも」
僕はいつものように、手を挙げて挨拶をすると‥にっこり二人に微笑んでみる。
‥でも、二人は顔を見合わせて、不思議そうな表情をしてる‥まぁ、仕方無いかな。
昨日二人と会ったときは、あんな状態だったもんね‥。
でも、今はもう大丈夫‥って、どうやって説明しようかな‥なんて僕が考えている間に。
「ピノ、座って待っといてや。ボクがケーキとか買うて来るさかいに」
ディルはそう言うと、さっさとケーキの並んでいるディスプレイの方へと行ってしまったんだ。
折角のディルの好意だし、僕は甘えることにして‥テーブルに着いた。
‥さて、座ったのは良いけど‥なんて言おうかな‥どこからどこまで言おうかな‥。
「えっと‥」
「ね、ピノ‥元気になったならさ‥ぼくはそれで良いんだ。‥言い辛い事とか、言わなくていいんだよ」
とりあえず‥と、話を切り出そうとした僕に。
すかさずユランが言葉を遮って‥そんな事を言ってきたんだ。
‥いつもの様に‥ううん、いつも以上に優しい言葉で。
更に‥
「そうそウ!オイラも‥ピノが元気で居てくれたら良いんダ。それだけで‥サ」
フリストだって、嬉しそうに‥そう言うんだから‥参っちゃうな。
僕‥優しい友達に囲まれて‥僕‥本当に幸せだ‥。
「‥ごめんね‥心配してくれて‥。‥ありがとう、ユラン‥フリスト」
泣き虫の僕は、また涙をこぼしそうになるのを‥なんとか堪えて。
‥「ありがとう」って言う僕に‥二人は優しく微笑んでくれる。
本当に‥僕は‥‥
「あ、そうだっタ!‥もう、要らないかもしれないけどサ‥」
感傷に浸る僕に‥フリストはまるで何かを思いだしたかのように、そんな声を上げて。
そして‥脇に置いてあった鞄を取り出すと、なにやらごそごそ‥と鞄の中を探し始めたんだ。
鞄の中から、一体何が出てくるんだろう‥そんな事を考えながら、フリストの様子を見ていた僕。
ややあって、フリストは‥一冊の本を取り出したんだ。
‥少し古めだけど、どことなく高級そうな‥そんな本を。
「あのサ、ピノ‥‥良かったら、これ、あげるヨ。‥これを読んでサ、元気になってくれたら‥って思ったんだけド‥。
 ふふ、もう元気になったみたいだし、要らないかもしれないけどサ」
フリストはそう言うと、その本を僕に手渡してくれて‥
‥その表題を読んで、僕は本当にびっくりしたんだ。
「え‥えええっ‥‥ふ、ふ、フリスト、これって‥!」
僕が思わず‥声を裏返す位、驚きの声を上げた書物‥それは‥
あ‥その前に、少しだけ説明するね。
エニッド・アイアンハートと‥グィンハム・アイアンハート‥という人物は知っている‥よね?
エニッド・アイアンハート‥各地の地図を作成し、地歴書を残した人物で‥僕も彼女の本は、結構読んだことがある。
で、その父グィンハム・アイアンハートも‥娘が各地の地図を作成する以前に各地を回り、地図を作成していた人物だ。
専らグィンハム・アイアンハートはクォン大陸の地図を作成し‥
その意志を継いだエニッド・アイアンハートが、ミンダルシア大陸の地図を作成した‥って事で有名だね。
そんなグィンハム・アイアンハートは、若かりし頃‥東エラジア社の外洋交易船、その船長としても名を馳せている。
その船長時代にあった、波瀾万丈な冒険の数々が記された書物‥それがフリストの持っていた書物だったんだ。
しかもこの書物、クォン大陸・ミンダルシア大陸にある四国では‥まず手に入らない。
理由は知らないけれど、発禁処分を受けていて‥目の院の図書館にすら無いくらいなんだ。
‥でも、どうしてそんな本をフリストが持っていたんだろう‥?
「すごい‥僕、初めて見たよ‥。けど、フリスト、これをどうやって手に入れたの‥?」
不思議そうに尋ねる僕に‥フリストは「うーん」と少し考えると、思い出しつつも話をはじめたんだ。
「‥ん‥オイラはサ、兄さんに貰ったんだヨ。
 確カ‥そうそウ、以前にアトルガン皇国の方で過ごしていた時に、手に入れたんだっテ。
 なかなか面白いかラ‥って言って、くれたんダ」
なるほど‥フリストのお兄さんは、冒険者をしてる‥って言ってたっけ。
冒険者なら、アトルガン皇国の方にも行けるだろうし‥そうなると‥って訳かな。
よくよく見ると‥本の装丁とか、紙質に‥アトルガン地方の特徴が出てる。
‥それはともかくとしても、フリストがこうして大事にしている本‥貰っても良いのかな‥。
普段フリストはあんまり口にしないけど、フリストの「お兄さん」を思う心は‥なんとなく分かる。
‥「お兄さん」の話をするときは、本当に嬉しそうにしているものね。
そんな大事なお兄さんに貰った、しかも大事な本を‥‥うん、やっぱりダメだよ。
「そんな大事な本、僕は貰えないよ‥」
「‥ん~、でモ、オイラはピノに元気になって欲しくってサ‥‥あ、でももう元気なのカ‥あ~、でモ‥」
やんわりと断る僕に‥フリストも少しだけ困った表情を見せる。
加えて、当初思っていた「僕の状態」が今の状態とは違う‥
でも、やっぱり僕に渡したいような、そんな気持ちもある‥のかもしれない。
‥そりゃまぁ、僕だって読みたい事は読みたいけど‥
でも‥‥うーん、どうすれば‥。
一体どうすればいいのか、僕が考えていた‥その時。
「ね、ピノ、フリスト‥それじゃあさ、フリストがピノに本を貸す、っていうのはどう?」
そう声を掛けてきたのが‥ユランだ。
なるほど‥貰うんじゃなくて、あくまで少しだけ貸して貰う‥と。
そうすれば、僕だって本を読めて、元気になるし‥いや、もう元気なのは元気だけど‥
とにかく、読んだ後はフリストに返すから、フリストだって大事に持っていられるし。
凄い、ユラン‥とっても良い考えだね!
「ン、それ良い考えだナ。そうしよウ!」
「うんうん!ユラン‥とっても良い考えだよ。ふふ、僕、楽しみに読ませて貰うね」
ユランの提案に、僕は勿論‥フリストも乗り気みたいで。
僕とフリスト‥そしてユランも、良い案が見つかったことで‥三人そろって笑っていたんだ。
「ん‥なんや、ごっつ楽しそうやな」
三人の笑い声が重なる中‥丁度ディルがトレイを手にやってきて。
まるでウェイターさんの様に、僕の前に白いケーキと‥そしてオレンジジュースを置いてくれる。
目の前に置かれたケーキは‥あれ、これは‥新作なのかな?今まで見た事無かったと思うけど‥
「これは‥何のケーキかな?僕、初めてみたけど‥」
僕はそう言いながらも、置かれたケーキをじっくりと見てみる。
一見すると普通の‥そう、ガトーオーフレースの様なケーキ‥だけど。
スポンジを覆っているのは生クリームじゃないようだし‥その‥‥イチゴだって載ってないし‥。
うーん、スポンジの周りに薄く‥まるでチョコレートケーキの様に、「何かのソース」が掛かってる‥。
あ、でも‥色が白いし、香りもどことなくチョコレートじゃない‥し‥。
‥何だろう?
「あっ、ディル‥それを選ぶなんて流石だね。
 ピノ、それは一昨日の‥銀河祭限定‥いや、もう限定じゃ無くなったけど‥とにかく、新しいケーキだよ」
ユランの言った「銀河祭」という言葉に‥思わず「あっ」って思ったけど‥
不思議‥自分で思うほどには気になっていないみたい。
もう‥あの時の事を瞬時に思い出すことも無いし‥。
ふふ、これもディルのお陰だね‥って、それよりも。
新しいケーキ‥かぁ‥
新しいケーキを、色々な角度から見つめる僕に‥
ユランはケーキの説明をしはじめたんだ。
「銀河祭‥その由来の舞台になった「河」‥勿論、空の星々だけど‥あれって、今のぼく達は「ミルキーウェイ」って呼ぶよね。
 それになぞらえてね‥ケーキにふんだんにヨーグルトソースが掛かっているんだよ」
なるほど‥ミルキーウェイ、ミルクの道‥だから、ミルクから出来たヨーグルトをソースとして‥かぁ。
でも、ヨーグルトって‥イメージ的には酸っぱいような気がして‥
‥ケーキに合うのかな?
「ふふ、このヨーグルトケーキは‥甘いモンが苦手のボクでも、食べられたんやで‥‥少しやけど」
そう言うディルの方を見ると‥あっ、ディルも僕と同じケーキを持ってきてる。
‥そうかぁ、ディルでも食べられる‥しかも、こうして再び食べようとしている、となると‥
甘さはともかくとしても、ふふ‥味は良さそうな気がするなぁ。
「じゃあ‥早速‥いただきます!」
僕はきちんと両手を合わせて、「いただきます」のポーズを取ると‥
フォークでヨーグルトケーキを少しだけ崩して‥口の中へと運んだんだ。
‥口の中に広がる、ヨーグルトの酸味と‥スポンジの優しい味。
上手く表現できないけど‥その美味しい味は、僕の心をとても‥満たしてくれたんだ。
‥ううん、ケーキだけのお陰じゃないよね。
元気づけるために、本を僕に貸してくれたフリスト。
元気がでるから、と‥スィーツを勧めてくれたユラン。
そして‥‥僕の心を優しく包んでくれた‥ディル。
‥フリスト‥ユラン‥‥ディル‥
みんなの温かな思いのお陰で僕の心は‥‥もう‥もう、大丈夫。
‥ありがとう‥‥みんな、本当に‥ありがとう。


「ふふ‥そうだね、もう少しで‥‥あ」
ユランの勤めているスィーツショップからの帰り道。
三人でお喋りをしながら、星芽寮にたどり着いた僕達は‥
いつもの様に、玄関口に設置されたポストを見る。
‥僕の部屋のポストに手紙があるのを見つけた僕は、そっと取り出して‥思わず息をのんだ。
てっきり、ディルに届いたいつもの手紙‥そう、彼女からの手紙かと思ったんだけど‥
‥違ったんだ。
それは僕宛の手紙で‥そして‥‥
‥‥キルクさんからの手紙だった。
きっと、僕はその時‥なんとも言えないような、複雑な表情をしていたんだと思う。
そして、じっと‥手紙を握りしめていたから‥
「ん?どないかしたんか、ピノ?」
僕の事をきっと不審に思ったんだろう‥
ディルが横から、僕の顔を覗き込む様にして‥尋ねてきたんだ。
そんなディルの声に‥僕はハッと我に返って。
そして‥
「あ‥う、ううん、なんでもないよ。さ、部屋に戻ろう」
僕は慌てて誤魔化すようにそう言うと、なんでも無いフリをしながら‥
先頭を切って、部屋への道を歩き始めたんだ。

‥部屋に戻ると、幸いにも‥ヤダンの姿は無かった。
窓から見える時計台を見て‥なるほど、この時間ならきっとランニングの最中だろう。
まだ‥ヤダンが戻ってくるまでに(いつも通りなら)時間はある。
だから‥‥だから。
僕は片手に握りしめた手紙に‥そっと視線を落とした。
この手紙には、何が書いてあるんだろう‥。
‥でも、何が書いてあっても‥僕の心はもう‥。
そうだ、僕の心はもう決まっている‥決まっているんだ。
あの‥ディルと話をした、その時から。
でも‥
「‥でも、読まない訳にはいかない」
部屋には誰も居ない‥勿論、誰に言う訳でもない‥
それでも、口に出して言う事で‥自分に言い聞かせるようにして。
僕は、机に向かう間も惜しい‥とでも言うかのように、扉にもたれたまま‥手紙の封を開けた。
‥中には‥羊皮紙が一枚。
おそるおそる‥震える手でそれを取り出して‥そして‥
‥僕は文面を読み始めたんだ。

親愛なるピノへ。
この様な形で告げるのは、本意ではないけれど、僕達の関係を終わりにしよう。
そもそも、そこまでの間柄でも無かったのかもしれないが、区切りは付けたいと思っている。
僕はもう、星芽寮に戻る事も無い。これは互いにとっても好都合だろう。
では、ピノに幸あらんことを。   キルク・ラトクリク

あまりにも‥想像通りの内容‥でも、簡潔すぎる文面。
その内容に‥僕は思わず、ほっと一息を着いた。
‥不思議と悲しみとか‥怒りとかの感情はこみ上げてこない。
ただ、なんとなく‥‥いや、良いんだ。
僕は手紙を手に、自分の机へと向かうと‥
‥そっと引き出しの奥に、その手紙をしまい込んだ。
もう見る事も無いかもしれない、でも‥なんだか捨てる気にもなれなくて。
そして‥机に座った途端‥疲れがどっと押し寄せてきたような、そんな感覚が僕を襲ったんだ。
仕事の疲れ‥生活の疲れ‥そして‥‥恋の疲れ。
当分‥もう当分は‥
‥恋なんてしなくてもいい‥
なんとなく‥僕はそんな風に思い始めていたんだ。


それから数日経ったある日、フリスト経由で‥キルクさんがアトルガン皇国へと渡った事を知った。
アトルガン皇国で、調査員として‥数年間といった長期の在住勤務に就いたんだとか‥。
‥もしかしたら、キルクさんはそれを知って、事前に‥‥
‥‥いや、もう過ぎ去ったことなんだから‥。
だから‥‥
‥さようなら、キルクさん‥。


  
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