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その98『とりっく・おあ‥?』

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「はぁ‥‥」
ここは、サンドリア王国のすぐ隣にある‥って言ったらいいのか?東ロンフォール地方だ。
綺麗な木々が立ち並ぶ森林地帯、その中央を流れている「シュヴァル川」の‥中程で。
俺はいつもの様に、釣り糸を垂らしながら‥ため息をついていた。
‥念の為に言っておくけど、俺が「いつも」なのは釣り糸を垂らすほうだぞ?
ため息を「いつも」ついてる訳じゃ無ぇんだからな。
「‥はぁ‥」
そうは言っても、やっぱりため息が出てきちまう。
今は明日の為に、沢山シュヴァルサーモンを釣らなきゃいけない、ってのに‥
俺の頭の中には、釣りなんかよりも「あの事」がずっと渦を巻いてるんだ。
‥あ、逃げられた‥いや、今は魚よりも‥そう、「あの事」の方が大事だ。
俺の頭の中を「あの事」が巡るのは‥こうして一人、釣りをしてるせいなのか?
でもなぁ‥今はどっちかと言うと、一人になりたい気分だし‥
ああ、「一人になりたい」なんて思わなくても、ここら辺に来れば自然と一人になるよな。
そうそう、こんなトコで釣りしてるヤツなんざぁ、俺の他に居る訳が無ぇんだから。
‥まぁ、それはともかくとしても‥
俺が一人になりたい気分‥その理由がまたしても、「あの事」のせいなんだよな。
で、俺が「あの事」を考えると‥
「‥はぁぁ‥‥」
自然とため息が出てくる訳で‥
‥俺、今日は何回ため息ついてるんだろう‥。

俺は名前はヤナ‥ヤナ・カラナだ。
タルタル族の男で、15歳‥緑色のマゲがチャームポイントの‥
‥おい、誰だ‥俺が「チャームポイント」って言った途端に笑ったヤツ!
‥‥似合わないとか言わないでくれって‥それは自分でも分かってるから‥。
まぁ‥何だ。
そんな事より、肝心の話だ‥そう「あの事」について、説明しなきゃな。
俺の言う「あの事」ってのは‥まぁ、一種の「悩み事」なんだけどよ‥
‥あぁ、それを言う前に、もうちょっと前‥「前提」ってヤツから話をしなきゃいけねぇな。
まず‥俺には彼氏‥いや、恋人が居る。
‥あぁ、そうだ‥恋人は同じタルタル族の男で、ラナイ・シナライ‥14歳‥いや、この前15歳になったんだ。
ラナイは銀色の髪がとっても綺麗で‥俺と違って、性格だって良いんだ。
優しくて‥可愛くて‥気がついたら、抱きしめたくなっちまう。
ん?‥あぁ、そうだ、俺もラナイも男だ‥文句あるか?
俺はラナイが好きで‥ラナイも俺が好きで。
お互いが好き同士なら、それでいいじゃねぇか、別に。
で‥ラナイとは‥そう、今年のひな祭り‥3月から付き合い始めてるんだ。
今が10月末だから、付き合い始めて半年と少し経つことになる‥‥まぁ、それだけ経てば‥な?
俺もラナイももう大人だし、「そういう事」はしてる。
その‥キスしたりとか‥えっと‥‥な、舐め合ったりとか‥。
でもさ‥まだ‥「入れた事」は無いんだ。
‥え?さっさと入れりゃあ良いのに‥だって?
‥‥そう簡単にいきゃあ、良いんだけどよ‥。
えっと‥そもそも互いに舐め合うのですら、「問題」があったんだよ。
その‥いろいろな「問題」がさ。
‥専ら「問題」があったのは、俺の方だったんだけどな。
でも、それはまぁ‥上手い具合にカタがついたんだ。
えっと‥そうそう、あれはあますず祭りの頃だったから、8月の半ばの事だな。
その時にたまたま再会した、旧友ラケルト・ハケルトの‥ありがたいアドバイスのお陰でさ。
アドバイスを貰ったその日の内に、俺とラナイは‥ふふふ。
‥おい、気持ち悪い笑い方だとか言うなって‥‥自分でも分かってるから‥。
まぁ、それはともかくとして‥
そこまで行ったら、次は‥そうだよな?その‥「入れる」よな?
で、俺達も試したんだよ‥え?その前に、どっちがどっちなんだって?
‥あー‥俺が「入れる方」だ。
まぁ‥二人の性格とか‥あとはラナイの希望とかがあってだな‥
ふふ、ラナイのヤツ、「僕、ヤナに‥い、入れて欲しいな‥」なんて言うんだから‥可愛いったらありゃしねぇ。
‥と、とにかく‥すると決まってからは、色々と準備だってしたさ。
その‥「はじめてのえっち」の為に、用意周到にデートして‥気分を盛り上げて‥
ベッドに入ってからも、ムードを作って‥‥そして‥ラナイに優しくしたんだ。
その‥ラナイのお、お尻の穴だって‥優しくほぐしてやったし‥
で‥それじゃあ、とばかりに入れようとしたんだけど‥
‥ラナイのヤツ、声を上げたんだよ。
‥‥いや、正確に言えば違うな‥「声を上げそうになったのを我慢していた」だな‥。
きっと痛かったんだろう‥それを耐える様に、目をぎゅっと瞑って‥歯を食いしばって‥
でも、かすかに声が漏れていて‥
その‥涙だって、少しだけど流していたんだと思う‥。
‥そんなラナイの様子を見ていたら、俺‥‥その‥‥萎えちゃったんだよ‥。
ラナイに、そんな痛い思いなんてさせたくない、って‥そう思って‥
気がついたら、ラナイの身体をぎゅっと抱きしめて‥「ごめん」って、言ってた‥。
‥その日はさ‥もう、なんていうのか‥二人共、えっちな事をする気が起きなくなって‥それまでだ。
まぁ‥‥そんな失敗をしちまったんだよ。
でもさ‥俺もラナイも、やっぱりあきらめきれなくて。
何が悪かったんだろう‥って、後日話し合ったりしたんだ。
ラナイのお尻の穴を、ほぐすのが十分じゃなかったのか?
ラナイが緊張していたからなのか?
‥俺のちんちんが大きすぎるからなのか?
まぁ、最後のは無いとしても‥こら、そこ!うんうん、って頷くなって‥俺のを見た訳じゃ無ぇだろ?
それはともかくとして‥で、今度こそ、と思った俺達は‥もっと準備万端にして、再挑戦したんだよ。
ラナイ自身にも、予めほぐしてもらって‥
その‥はずかしいけど、えっちをする時に使う液体だって買ってきた。
それから、ラナイがリラックスするような‥そんな香りのお香を焚いたりとかもしたし‥
これで絶対大丈夫だ!‥俺達はそう言って、えっちに及んだんだよ。
‥でも‥‥
‥‥ダメだったんだ。
俺が‥俺が。
つい、ラナイを意識してしまって‥緊張してしまって。
‥ラナイもそんな空気を、感じていたのかもしれないな。
ラナイはかすかに‥「ん‥」なんて声を出して‥いや、それはもしかしたら「感じる」声だったのかもしれないけど‥
‥俺には「痛みを感じてる」なんて風に思えてしまって‥
それからは‥悪い方へ悪い方へと、考えが進んじまって。
‥また、萎えてしまったんだ‥。
そんな二度目の失敗が、俺の心をたたきのめしちまった。
俺はラナイに「入れたい」と言う事は無くなったし‥
ラナイも俺に気を遣っているのか「入れて欲しい」とは言わなくなっちまった‥。
お互いに失敗が怖く‥なったんだろうな‥。
‥それに‥それに。
別に、入れなくても、その‥手や口ですればいい、っていう思いもあったから。
ラナイの手も‥口も‥とても気持ち良くて、俺は好きだし、それに‥
ラナイだって、俺が手や口でしてやれば、気持ち良いって‥喜んでくれたから‥だから‥‥
‥それで良い、って思ってるのかもしれない。
でも‥‥でも‥‥。
俺自身、心の奥底で「ラナイと繋がりたい」っていう思いはある‥
‥ちょっとだけ、だけどな‥。
でも、そんな俺の思いはどうでもいいんだ。
問題なのは‥ラナイだ。
話は少しだけ逸れるけどよ‥「入れられる」感覚って、どんな感じなんだろうな。
‥い、いや、別に俺が入れられたい、って訳じゃあねぇ。
そうじゃなくて、その‥‥聞いた話によるとだな。
えっと‥「入れる」のも気持ち良いけど‥「入れられる」のだって気持ち良い、って聞いたんだ。
まだ「入れる」方だったら、俺でも想像が付きそうだけど‥「入れられる」方は想像も付かない。
そんな想像も付かない「入れられる」気持ちよさだけど‥ラナイは望んでる。
ラナイは望んでいるのに‥俺は感じさせてやれないのが‥
‥不憫なんだ。

「‥はぁ‥‥」
という訳で‥そんな「悩み」を、俺は抱えてるんだよ。
本当に‥俺はどうしたら良いんだ。
どうしたら、ラナイを気持ち良く‥
「釣れますか?」
ぼーっと考えながら、釣り糸を垂らしている俺に、後ろから声が聞こえてくる。
声のかけ方からして、恐らく釣り人だと思うんだけど‥こ、こんな所に釣りにくるたぁ、なんて珍しい人だ‥。
‥いや、だったら俺はどうなんだ、って言われそうだが‥まぁ、それは置いておくとして。
「ぼちぼちで‥す‥‥って、お前!」
普通に答えながら、振り向いた俺の目の前に居たのは‥
「やぁ、ヤナ‥元気かな?」
「‥ラケルト、何してるんだ、こんなトコで‥」
そうだ‥さっきチラっと言った、旧友のラケルト・ハケルトその人だ。
‥亜麻色の髪をツンツンさせているのが特徴の、タルタル族の男。
もしかして、ラケルトもここへ釣りをしに‥来た訳じゃあなさそうだな。
見る限り、釣りをするような服装じゃない‥いつものシーフ独特の装束を着てるしな。
それに‥見たところ釣り竿だって持っていないみたいだし。
‥いや、そもそもラケルトが釣りをするなんて聞いた事も無いな。
だとすると、どうしてこんな所へやってきたんだ‥?
「偶然だね~、こんな所で会うなんて。ヤナは‥ここで釣りをしてるの?」
いかにも「芝居がかった」様な「偶然だね~」という言い方に、俺は少し怪しさを感じたんだけど‥
まぁ、ラケルトが何の用で来ていたとしても、別に俺は構わない。
で‥俺は普通に「ここに来た理由」を答えたんだ。
「俺はさ、明日の‥ほら、なんだっけ‥あの‥‥とりっく・おあ・とりーとめんと?」
「それを言うなら、トリック・オア・トリートでしょ?‥ハロウィンのお祭りの」
‥そうだそうだ、それそれ、はろーうぃん。
俺のぎこちない言葉も、ラケルトはすらりと言い直してくる。
まぁ‥細かいところは違うかもしれねぇけど、そこはそっとしておいてくれ‥。
「そうそう‥そのパーティをリンクシェルでするんだよ。で‥その料理の材料を、こうして釣ってるんだ」
そうは言っても‥実際どんな料理が作られる予定なのか、俺は知らねぇ。
リンクシェルメンバ-の調理担当に「シュヴァルサーモンを山ほど釣ってきて!」って言われて‥
まぁ、ほどほどに釣りの腕前がある、俺が釣る役になった、って訳なんだ。
あ、ちなみにラナイはウィンダスまで果物を買いに行ってる。
‥寂しいけど、今は別行動って訳だ。
っと、俺の事ばかりじゃなくて‥そうだった、ラケルトは一体何をしにきたんだろう?
俺は不思議に思って聞き返してみたんだけど‥
「で、そういうラケルトはこんなトコで何してるんだ?」
「え?あ~うん、ちょっと散歩をね。ふふふ」
散歩って‥なんだかウソ臭いなぁ。
‥いやいや、それよりも‥そう、これって良いチャンスなんじゃないか?
そうだ‥さっきも少し言ったけど、以前あった「問題」は、ラケルトに相談したお陰で解決できたんだ。
もしかしたら、今度の問題だって‥ラケルトなら何か解決策を教えてくれるかもしれねぇ。
‥頼られてばかりで、ラケルトは嫌な顔をするかもしれないけど‥
それでもこんな事‥そう、えっちな事なんて相談できる相手が‥限られてるからさ‥。
だから‥すまねぇ、ラケルト‥相談させてくれ。
「ラケルト、その‥良かったらさ、またちょいとばかり‥相談に乗ってくれねぇか?」
とりあえず‥手に持っていたバンブーロッド‥釣り竿は仕舞うことにして。
‥大事な話だからな‥ちゃんと目を見て話さないと。
俺はラケルトの方へと身体を向けると、ラケルトの瞳をじっと見つめながら、話を切り出したんだ。
「え?ボクに相談?‥また何かあったの?」
俺の言葉に‥ラケルトは少し驚いた様な表情を見せたけど‥嫌な表情はしない。
‥「また」って言われるのは何だけど‥まぁ、そう言われても仕方無ぇよな。
それよりも、折角聞いてくれる気になっているんだ、ちゃんと話さねぇと。
「また‥って言われても仕方無ぇ。‥‥実は‥」
俺はとりあえず‥とばかりに話し始めようとして‥
‥しかし、言葉はすぐに遮られてしまった‥。
「わかった!どう腰を動かしたら気持ち良いかとか‥」
「ち、違う!は‥‥恥ずかしい事言ってるんじゃねぇ!」
ラケルトは何かにひらめいた様に、「わかった!」と言って俺の言葉を遮り、独自の考えをぶつけてくる‥‥いつもの事だ。
でも‥‥こ、腰の動かし方とか‥そんな恥ずかしい事、よく平然とした顔で言えるな‥。
全く、周囲に人が居なくて良かった様なものの‥‥いや、人が居ないからラケルトも言ってるのか‥?
「ふふふ、なんだ、違うの?ボクはてっきり‥」
「‥はぁ‥。そんな所まで進んでもいねぇんだよ‥」
そうだ‥腰の動かし方とか、それも大事なんだろうが‥それ以前の問題なんだよな。
‥本当に、困ったもんだぜ‥
「とりあえず、聞いてくれよ。実はさ、俺‥」
とりあえず、ラケルトが大人しくなったところで‥今度こそ俺は、改めて詳細を‥
‥やはり言う事が出来なかった。
「今度こそ分かった!入れようとしたけど、相手の子が痛がって、その声にヤナも萎えちゃったとか!」
「ちがーう!そんな相手の痛がる声で萎える俺じゃあ‥‥俺じゃ‥俺‥‥萎えちまったんだ‥」
思わず「ちがーう!」と言おうとした俺だったが‥
よくよく聞くと合ってるじゃねぇか!
まさか‥ラケルトの考えが当たるだなんて、そんな‥。
俺は初めてのこの状況に、驚きの余り、言葉がひっこんでしまって。
‥ようやく口に出せた言葉は‥‥
「‥そうだ‥その通りなんだ‥」
「‥‥‥あら?」
ラケルトもまた、俺の反応に‥不思議そうな顔をしていた‥。

「‥ふんふん‥なるほどね。‥それはそれは‥」
ラケルトがたまたま‥俺の悩みを言い当てたのはまぁ、よしとしよう。
‥下手なクロスボウも数打ちゃ当たる、ってヤツだ。
‥まぁ、俺は竜騎士だからクロスボウなんて‥って、それは置いておくとして、だ。
さっきのやりとりで、大まかには伝わったとしても‥細かいところまでは分かるはずがねぇ。
俺は詳細を、その‥恥ずかしさに顔を赤らめながらも、ラケルトに説明していったんだ。
‥ラケルトは、ちゃんと真面目な顔で、笑いもせずに聞いてくれた。
そうだ‥ラケルトはそういう、人の悩んでるところを茶化したりはしねぇ。
ちゃんと親身になって、考えてくれる‥‥本当に良いヤツなんだ。
‥ラケルトに、全てを説明し終えて‥俺は最後にこの言葉で締めくくる。
「なぁ‥俺、どうしたらいいんだろう‥」
情け無ぇ言葉だけど‥俺にはどうしていいのか‥
‥本当に分からねぇんだ。
でも、それでも‥なんとか‥なんとかして。
俺はラナイに‥‥。
「そう‥‥だねぇ‥‥‥‥うーん‥‥」
俺の言葉に、ラケルトは腕を組むと‥目を閉じてそんな声を上げる。
‥きっと一生懸命考えてくれているんだ‥なんとか問題を解決する方法を。
俺はラケルトに考えが浮かぶのを‥待った。
ずっと‥ずっとでも待つ‥幾ら時間が掛かっても良い‥そんな思いを胸にしながら。
しかし‥思いの外早く、ラケルトは‥その口を開いたんだ。
「‥一つ‥一つだけ、解決策となる良い方法があるよ。でも‥それには覚悟が必要になるけどね」
その言葉に‥俺はラケルトを見つめる。
真剣な、決して冗談で言っている様子ではない‥それは雰囲気からも分かる。
そんなラケルトの言葉に。
‥俺の‥俺の答えは‥‥勿論、決まってるさ。
「覚悟‥?ああ、俺、やるよ‥ラナイの為ならなんだってやってやるさ!」
俺は腹に力を込めて‥ついでに握り拳を作りながら、ラケルトに言ってみせる。
そうだ‥覚悟なんてとっくに出来てるさ。
ラナイの為だったら、俺は何だってやってやるんだ。
そんな風に意気込む俺に‥ラケルトは。
「‥今、言ったね?何でもやるって‥言ったね?」
まるで「ニヤリ」という言葉が似合う様な‥そんな微笑みを浮かべながら、ラケルトは言ったんだ。
‥な、なんだ‥?ラケルト‥何だか‥とっても怪しい‥ぞ‥?
い‥いや、何を言ってるんだ、俺は。
ラケルトは俺の為に「解決策」を考えてくれたんだ。
きっと怪しい事なんかじゃない!‥‥ハズだ‥。
「‥え‥あ、あぁ‥言ったぞ。‥俺は何でもやる!」
ラケルトの微笑みに圧されかけた俺だったけど‥
自分が退かない様、気合いを込めて言ったんだ‥そう、自分に言い聞かせるように。
すると‥
「ふふ‥分かったよ。それじゃあ‥そうだね、ボクも時間がないから‥
 ‥明日。明日の夕方‥ジュノにあるボクのレンタルハウスに、一人で来てくれるかな?」
ラケルトはいつもの様子‥そう、あのにこにこと微笑みを浮かべる、普段の様子に戻ったんだ。
‥うん‥何度見ても普段のラケルトだ‥うんうん。
と‥それはともかく、明日‥明日か。
明日は夜に「はろうぃーんパーティ」があるんだけどな‥
‥いや、リンクシェルのパーティよりも、俺にとってはラナイの方が大事‥
‥って、パーティにはラナイも出席するんだ‥やっぱり大事だな、うん。
そこら辺もラケルトに言っておいた方が良いだろう。
まぁ、会場は同じジュノだし、いざとなればすぐ行ける‥だろうけど。
「分かった。‥夜からはろうぃーんのパーティがあるから、それには遅れない様にしたいんだけどよ‥」
「うーん、まぁ、ヤナ次第だとは思うけど‥多分大丈夫だよ」
俺次第‥か。
良いさ‥ラナイの為にも、ラケルトの「解決策」を乗り越えるんだ。
そして‥ラナイの為にも、夜のパーティに間に合わせるんだ!

‥ラケルトのお陰で、少し‥少しだけど「活路」が見えてきた俺は‥
明日に向けて気合いを入れ直した。
‥明日‥明日、頑張るんだ‥!
「でさ、ラケルト‥肝心の「解決策」ってのは‥」
「‥それはまだ、ヒミツだよ~」
俺の言葉に、ラケルトは笑って答えると‥軽く手を振って去って行ったんだ。
‥一体何をさせられるのか、気になる‥凄く気になる‥‥。
けど、今の俺に分かるわけもないし‥大人しく明日まで待つとしよう。
それにしても‥
‥ラケルトはここへ、何をしにやってきたんだろう‥?
俺は決して分からない、二つの謎を抱えたまま‥再び釣り竿を握るのだった。


 
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