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 ←其ノ8『決意する少年』 →その22『黒魔道士ネリスの場合』
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その21『鍛冶屋ホルグとその客達』

 ←其ノ8『決意する少年』 →その22『黒魔道士ネリスの場合』
「ありがとうございます。ホルグさんに仕事を受けていただいて‥僕、嬉しいです」
俺の目の前に居る人物はそう言ってぺこりと頭を下げる。
‥俺と同じ、タルタル族で男性のフィリスさんだ‥いや、見れば分かる事だな。
ちなみに、同じく見れば分かる事だが‥ここは俺の仕事場、所謂鍛冶場だ。
そんな俺の仕事場にやってきたフィリスさんは、俺に仕事を依頼に来た‥言ってみれば「俺の客」だ。
が‥その表情から見ても「相当に感謝している」という様な雰囲気が見えるんだが‥うーん。

「‥いや、そこまで感謝される程の事じゃあ無ぇよ。俺だってどこにでも居るしがない鍛冶屋だ」
そうだ‥別に俺は伝説級の鍛冶屋でもなけりゃ、仙人級の鍛冶屋でもねぇ。
‥まぁ、自分でもちったぁ腕が良いとは思ってるんだけどよ。
「ふふ、ご謙遜を。‥それにしても‥初めてホルグさんに作って貰う武器、楽しみです」
そうだ‥俺は今回、フィリスさんから「武器を作って欲しい」と依頼されたんだ。
素材は全てフィリスさん自身が用意して‥あとは俺が精魂込めて作るだけ。
でもな‥単に型どおり、手順通りに作ればいい、って訳じゃあねぇんだ。
それを使う人‥フィリスさんの手に合うように、手の形‥筋肉量‥いや、腕の振り幅まで。
そこまで計算に入れた上で作るのが大事だし、何より‥ああ、これ以上は専門的な話になるから飛ばすぜ。
聞いてたって面白くは無ぇだろ?
それはともかく‥まぁ、作るのにゃあ問題無ぇんだけど‥他のところで問題があって‥だな。
「ん‥まぁ、さっき言ったように、今はちっと手が混んでるからな、時間が掛かるとは思うが‥それで良いって話だったしな。
 悪いが、1週間後をめどに取りに来てくれ」
そうだ‥今は丁度お得意さんからの仕事が立て込んでてだな。
フィリスさんにゃあ悪いが‥一見さんの順番は結構後になっちまうんだよ。
勿論、手を抜こうなんて事ぁ思ってねぇぜ?
‥いや、思わねぇからこそ、遅くなっちまってる‥ってのもあるんだが‥
「はい、時間は構いません、それで、あの‥その‥」
まぁ、時間が掛かる事自体はフィリスさんも問題無ぇみてぇだしな。
それなら‥って、ん?なにやらやっこさん、他にも気になる所があるみてぇだな?
フィリスさんはなにやら困った表情‥言いづらそうな表情で、俺の方を見てるんだが‥
‥あぁ、言いづらい事、聞きづらい事と言やぁ‥やっぱりあの事だよな。
「ん‥ああ、そうだ、作成代金だな、一応これくらいになるぜ」
そういやぁ、さっきまで金の話は一切してなかったからな。
俺は早速仕事量を想定して、フィリスさんに金額を提示してみるが‥まぁ、そんなにぼったくってる金額じゃねぇ。
これなら文句は言わねぇだろう、って思ってたんだが‥
「あ‥そうなんですか‥」
予想に反してフィリスさんは残念そうな、そんな表情をしたんだ。
うーん‥そんなに高かったか?相場から見てもまだ慈善的な金額だとは思うんだが‥
いや、俺だってこれで飯を食ってるんだ、そうそう安くはできねぇんだからな。
「悪ぃな、俺も慈善事業をしてる訳じゃあ無ぇから。金が無ぇとおまんま食い上げになっちまう」
「あ、いえいえ、そうじゃないんです。ただ‥」
悪いけど、とばかりに話を切り出す俺に。
フィリスさんはあわてて両手を振って、「そうじゃない」のポーズをとってみせる。
‥うん?金額が高いって訳じゃあ無いのか?だったら‥?
「‥ただ?」
「その、噂で聞いたものですから‥ここでは『お金』とは違う『代価』での支払いがあるって」
不思議そうに聞き返した俺に、フィリスさんは言いにくそうな表情でそう言ったんだ。
そうだ、恥ずかしそうに‥しかしどことなく興味深そうに。
ふぅむふむふむ、なるほどなぁ‥「そっちの話」か。
もしかするとフィリスさんも、本当は「そっち」を期待して‥いやいや。
悪ぃんだが、それは‥無い話だ。
「うーん、なるほど‥な。‥まぁ、お前さんにゃあ関係の無い話だよ」
俺は嘘を付くのが下手だからな‥いやいや、本当の話だぜ?
まぁ、正直な事をストレートに言っちまうと‥ちぃとばかし問題があるというか‥
‥フィリスさんを傷つけちまいそうだからな。
フィリスさんはまがりなりにもお客さんだからな、キツい言葉を掛ける訳にゃあいかねぇ。
俺は言葉を少しぼかして‥笑いながら軽く手を振って見せたんだ‥「大した話じゃないし、気にしないでいい」ってばかりにな。
そうしたらフィリスさんは‥
「そうですか‥残念」
俺が軽く笑っている間に、ぼそぼそ‥っと何かを言ったようだったが‥俺もわざと笑ってたからな。
残念なことに俺には聞き取れなかったんだ。
「‥ん?何か言ったか?」
「いえ、何でもないです。お代金を‥‥はい、これでお願いしますね」
慌てて聞き返した俺に、フィリスさんはにっこり笑って代金を渡し始める。
慌てて代金を受け取った俺は、ちゃんと揃っているか数えて‥‥よし。
「ああ、確かに丁度貰ったぜ。それじゃあまぁ、1週間後を目処に取りに来てくれ」
「はい!それでは‥完成を楽しみにお待ちしてますね」
フィリスさんはにっこり微笑んだまま、そう言うと一礼して。
ゆっくりと踵を返すと、俺の店を出て行ったんだ。
その様子は‥うーん、なんだかなぁ。
言葉とか様子とかを見てると、それこそ「楽しみにしてる」って感じだったんだけど‥問題はその後ろ姿だ。
なんていうのか‥金髪を首のあたりでまとめた髪が、寂しそうに揺れてたんだよなぁ。
‥悪いな、フィリスさん。
でも、俺は‥‥いや、何を言っても言い訳になるだけ、だな。
それよりも‥早速仕事に掛かるとするか。

さて‥仕事をしながらだが、ちぃとばかし自己紹介をするぜ。
大丈夫だ、手はきちんと動かしてるからな‥勿論精魂込めて、だ。
えーっと‥俺はホルグ・ラホルグ‥タルタル族だが鍛冶屋なんて仕事をやっている。
ジュノ上層の、メイン通り‥からは少し入った所だが、鍛冶場を持ってるんだ。
客だってそこそこ来るんだぜ?‥あんまり人目に付かない場所なんだけどな。
ん?なんだって?タルタルなんざぁ力も無ぇくせに、だって?
言いたい奴にゃあ言わせておけばいいさ‥なぁに、要は頭の使いどころが肝心なんだよ。
‥鉄は熱いうちに打て、って事だ。
あぁ、誰かみたいに思いっきり勘違いしつつ下品な言葉を交えてる奴とは一緒にするんじゃねぇぞ?
そうだ、誰とは言わないがウェインの事だ。
‥自分から言い出しておいて何だが、その話は良い‥それよりもだ。
俺は自分で言うのも何だが、なかなか良い腕を持ってる‥って思ってる。
そんな俺の腕を買ってくれる、お得意さんがそこそこ居て、作業の依頼だって多い‥それこそ手が回らない位でな。
まぁ、俺だって好きな仕事なんだ‥仕事が多いことに嬉しさこそあれ、苦しいなんて思った事ぁ無ぇ。
‥ただ、思いだけじゃあダメなのも分かってる。
思いで仕事が片付く訳じゃあ無ぇからな‥易々と仕事を受けられない時だってある‥今みたいにな。
丁度さっきの仕事を受けた事で、スケジュールが厳しくなってきちまったんだ。
ああ、毎日毎日一生懸命槌を振り下ろしても‥一ヶ月間は休む間も無ぇ程にな。
こういう時は、よっぽどの上得意か‥あるいは「特別な客」でなけりゃ、俺は仕事を断っている‥互いの為にもな。
いくら大事な鎧でも、「一ヶ月待て」と言われて「待ちます」って答える客がそうそう居るか?
今のご時世だ‥クリスタル合成って手もあるくらいだからな、ハンドメイドだってそうは時間を掛けてられねぇんだよ。
だが、品質だって勿論大事なんだぞ‥言うまでも無ぇことだけど、な。
第一、ハンドメイドで作る鍛冶の‥って、話が逸れそうだから端折るぜ?
‥ん?俺がさっき言った「特別な客」ってのはどういう客なのかって?
ん~、そうだな、なんて言えばいいんだろうな。
実に簡単な事なんだが‥‥お、丁度その「特別な客」らしき奴が‥俺の仕事場に来た様だ。

「あ、あの‥すいません。仕事をお願いしたい‥んですけれど‥」
どことなく気弱で申し訳なさそうな声と共に、俺の仕事場の扉が開かれた。
‥ああ、ちなみに言っておくが‥さすがに扉を開けたらすぐに鍛冶場、って訳じゃあないからな。
高い家賃、狭い土地‥のジュノでも、客と話をするスペースくらいはあるってもんだ。
「ん?ああ、いらっしゃい。俺が鍛冶屋のホルグだ‥失礼だけど、初めてうちに来るお客さんかな?」
確かに記憶力はそれほどよく無い俺だが、それでも客の顔は覚えてるさ。
とはいえ、俺の思い違い‥って事もあるからな、ちゃんと最初に尋ねるようにしてるさ。
‥とは言うものの‥間違い無ぇ。
俺がこの客人と会うのは初めてだ‥それは間違いようが無ぇ。
ん‥?どうして言い切れるのかって?そいつぁだな‥
その身につけた装備‥確かゴエティア装備と言ったか‥から見て、客人が黒魔道士だというのは分かる。
さっきの客人も確か白魔道士だったが‥そもそもうちは鍛冶屋だ、後衛が来るのは珍しいからな、記憶に残るんだよ。
ふふ‥後衛ならでは‥いや、タルタルならでは、っていうのもあるだろうが‥どことなくふっくらとした頬とか‥
どことなくおどおどとしていて、気弱そうな瞳とか‥更には色つやの良いふっくらとした唇とか‥本当にたまらねぇ。
そして何より‥そう、亜麻色の髪をツンツンと逆立てていて‥ああ、問題無ぇ‥いや、申し分無ぇ。
‥ん?少しは分かってきたか?俺の言う「特別な客」ってのが。
まぁ‥もう少ししたらちゃんと説明してやるよ。
とにかく‥客人との話に戻ろうぜ。
「は、はい、そうです!ネリス・カリネスって言います!‥あ、えっと‥もしかして紹介状とか無いとだめですか‥?」
俺の言葉に客人‥ネリスさんは元気に答えた‥までは良いんだろうが。
元気さがありあまったんだろうな、凄い勘違いをした上に慌てはじめたんだ。
フフ‥こいつぁなかなか。
見ていて愉快、とかそういうんじゃねぇよ?そうじゃなくてだな‥
すこし気弱だが、その実元気もあって、それでいておっちょこちょい‥ふふ、可愛いじゃねぇか‥なぁ?
おっと、話を進めねぇとな。
「いやいや、そんな事ぁ無ぇよ。ただ‥今は結構立て込んでる最中でな」
紹介状か‥なるほど高名な鍛冶士とかなら必要なのかもしれねぇけど、基本うちにはそんなものは無ぇ。
来る客拒まず!‥いや、「忙しい時」は別だがな。
‥まぁ、今がその「忙しい時」なんだが‥フフ、「特別な客」にはそんなもんすら、どうでも良くなるのさ。
だが、今のタイミングで俺が手のひらを返すってのは‥面白くねぇ。
‥じっくりネリスさんの様子、見させて貰うぜ?
「そう‥なんですか‥‥」
俺の「立て込んでる」という言葉にショックを受けたんだろう。
ネリスさんはそう言ってがっくりと肩を落としちまって‥
くぅ、そんな姿見せられたら「作る!今すぐ作る!」なんて言っちまいそうじゃねぇか。
‥いやいや、流石にすぐには言わねぇぜ?‥心はかなり傾いちまってるんだけどな。
「ん‥まぁ、なんだ。とりあえず何を作って欲しいのか、言ってみなよ」
「あ、は、はい!えっと、ぼく‥その‥‥‥‥」
フフ、俺の言葉を聞いて、ネリスさんも少しは希望が戻ってきた‥のかもしれねぇな。
少しだけ嬉しそうな表情に戻ったネリスさんは、早速希望の品物を言って来たんだが‥うーん、何に使うんだ、そんな武器?
まぁ、武器の使い道なんざぁ人それぞれだ、気にする事ぁ無ぇか。
こないだもウェインが‥ああ、あいつの話はもう良いって。
「あ、材料も用意してます!えっと、これと‥これと‥これと‥‥‥‥‥これで全部だったと思います」
どうやら材料の準備も万端‥の様だな。
ネリスさんはそう言うと慌てて鞄の中から素材をとりだし、俺へと渡してみせる。
俺は一つ一つ確認し、側にある机へと置いていって‥ふむふむ、問題無ぇな。
しかし、最初の様子を見たときは‥ネリスさんは気弱で早とちりな所もある、なんて思ってたんだが‥
こりゃあ案外‥しっかりしてるのかもしれないな。
フフ、気弱なタルタルも良いが‥しっかりしたタルタルも良いぜ?
‥なんだ、何でも良いのか、って言われると‥まぁ、そうなんだけどな。
ただ‥‥あぁ、いや、それはまた別の話だ、話を進めようか。
「‥ん‥ああ、上出来だ。さて、問題は行程と工賃なんだが‥」
そうだ、問題は行程と‥工賃、つまり代金だ。
その言葉を出すと‥ネリスさんは顔を引きつらせる。
「その‥立て込んでる‥んですよね‥?」
ネリスさんはそう言うと、再びさっきの気弱な顔に逆戻りだ。
フフ、コロコロと変わるその表情‥悪く無ぇぜ。
おっと、ここで俺がニヤケてちゃいけねぇよな。
ここは一つ、気むずかしそうな顔をしねぇと。
「‥あぁ‥そうだな、今だと一ヶ月は待って貰わなきゃならねぇな」
いや‥まぁ、本当の所‥タルタル族が相手なら、特別早くしてやってるんだけどな。
‥さっきのフィリスさんみたいに、普段は一ヶ月待って貰う所を一週間で‥ってな。
ああ、この話は他の種族の奴にゃあ秘密だぜ?
「一ヶ月!‥そんなに‥」
一ヶ月っていう期間に‥流石に驚いたんだろう。
ネリスさんは目をまん丸に見開いてそう言ってるんだ。
フフ‥しょうがねぇな、そこまで可愛いトコ見せられたら‥もう俺も我慢の限界だ。
そろそろ「妥協」してみせるとするか。
「‥でもな。特別に‥一週間で作ってやっても良いぜ」
「特別に!‥‥で、でも、ぼく、お金はあんまり‥」
俺の切った「期間を短くする」というカードに‥嬉しそうに驚くネリス。
‥でも、その顔はすぐに‥困ったような表情へと変わる。
なるほど、早とちりの性格が発揮されたって訳だな?
時間を早くしてやる代わりに、たっぷりと金を出せ‥と言われると思ったんだろうな。
‥いやいや、そんな事も無ぇんだぜ?
「フフ、構わねぇよ‥『代金』じゃなくて『代価』を貰う形になるから‥な」
そうだ‥ここで俺は次のカードを切るんだ‥「代価」っていうカードを、な。
さっきフィリスさんも言っていた‥「代価」。
フィリスさん相手にはまぁ、はぐらかしちまったが‥そいつぁちゃんと存在するんだよ。
‥もっとも、このカードを使う相手は限られてるんだけどな。
それは‥勿論タルタルの男。
‥ん?だったらさっきのフィリスさんにはどうして使わなかったんだって?
いや‥フィリスさんも確かに可愛いし、悪くねぇ。
ただ‥‥ああ、本当に悪いんだが‥髪型がダメだ。
髪を後ろの‥首もとで縛ったあの髪型は、どうしてもダメなんだ‥‥俺の古い恋‥いや、なんでも無ぇよ。
とにかく‥そういう意味ではネリスさんは大丈夫だ‥いや、俺の中でもかなり好みな方だ。
外見もそうだが‥中身にしても‥「代価」を貰うに十分な程にな。
さて‥ここからが肝心だ、話に戻ろうか。
「そ、それって‥えっと‥」
おや‥?
俺の言葉‥「代価」という言葉を聞いて、急に言葉を詰まらせるネリスさん。
もしかすると‥もしかするかもしれねぇな?
「‥おや、俺の噂‥知ってたのかい?だったら話が早いじゃねぇか。‥お前さん次第なんだぜ?」
まぁ‥良い悪いに関わらず、俺の噂‥「代価」の事は知られてるみたいでな。
流石に面と向かって「『代価』で払います!」なんて言う奴にゃあ会った事は無ぇが‥
ネリスさんだって知っていてもおかしくは無ぇからな。
俺の言葉にネリスさんは、軽く視線をそらして‥そして、頬を赤く染めていく。
‥やはり「代価」の事は知っているらしいな‥今はいろいろと考えている最中‥というところなんだろう。
まぁ、ここで俺がせっついても仕方ねぇ‥じっくりと待つさ。
‥なんて考えたのも束の間、ネリスさんはすぐに顔を上げると‥口を開いたんだ。
「‥は‥はい、その‥ぼくは‥構いません‥」
さっきまで以上に顔を‥頬を赤く染めて。
ネリスさんはきゅっと目を閉じながら答える。
きっと‥相当恥ずかしいんだろうなぁ。
でも‥そんなネリスさん、たまらなく‥可愛いんだぜ?
もう、今すぐにでもぎゅっと抱きしめたくなるくらいだ。
「そうか、じゃあ前払いでいただくぜ?‥うちは前払いがモットーだからな」
そんなネリスさんの肩に、俺はそっと手を回す。
突然俺に触れられたから‥だろうか、ネリスさんは一瞬ビクッと身体を震わせたが‥流石にはねのけたりはしなくって。
ゆっくりと目を開くと‥俺の方へと視線を向けて、こくりと頷いたんだ。
「あ‥は、はい‥お願い‥します」
俺の言葉に従順に従うネリスさん‥
そんな彼の背に、俺はそっと手を回すと‥
ゆっくりと、彼の背を押すようにして‥仕事場の更に奥へと案内したんだ。
勿論‥そう、「代価」を支払って貰うために、な。

 
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